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ホワイトニングはしない方がいい?言われる理由と、見送るべき人の見分け方

歯の色を明るくしたいと思って歯科医院のホワイトニングを検討し始めたところで、「やめたほうがいい」「歯がもろくなる」といった話が目に入り、手が止まってしまう。そうして数ヶ月そのままになっている方は少なくありません。

やっかいなのは、否定する情報と「まったく問題ありません」と言い切る情報が並んでいて、どちらも決め手に欠けることです。判断に必要なのは、どちらかの結論ではなく、そう言われる理由の中身と、自分がどの立場に当てはまるのかという線引きです。

ここでは、しない方がいいと言われる理由を分解したうえで、受けられない人・時期をずらしたほうがよい人・条件を整えれば受けられる人を整理していきます。

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目次

「しない方がいい」と言われる理由は、大きく3つに分けられる

ひとくちに「やめたほうがいい」と言っても、その根拠は同じではありません。整理すると次の3つに分かれます。

ひとつめは、薬剤に対する不安です。「歯がもろくなるのではないか」「エナメル質が溶けるのではないか」という心配で、もっともよく見かける理由でもあります。

ふたつめは、体質や歯の状態による適応の問題です。ホワイトニングには受けられない体質があり、また口の中の状態によっては先に別の治療が必要になります。これは「やめたほうがいい」というより、その人にとって適応があるかどうかの話です。

みっつめは、期待とのズレです。思ったほど白くならなかった、色が戻るのが早かった、費用が想定より膨らんだ。こうした結果への不満が「やらなければよかった」という言葉になって残ります。

同じ「しない方がいい」でも、中身はこれだけ違います。ひとつずつ見ていきます。

「歯がもろくなる」と言われるのはなぜか

もっとも広く知られている不安ですが、これは施術中に起こるある現象が、誤って伝わったものだと考えられます。

施術直後に起こる脱灰と、唾液による再石灰化

ホワイトニングの薬剤が作用しているあいだ、歯の表面のエナメル質は一時的にわずかに粗くなります。これを脱灰といい、表面のミネラルが少し失われた状態です。施術直後の歯が白く曇って見えることがあるのは、この状態が影響しています。

ただし、この状態は続きません。唾液にはカルシウムやリンといったミネラルが含まれていて、時間の経過とともに歯の表面へ戻っていきます。これを再石灰化といい、脱灰と再石灰化は本来、毎日の食事のあとにも起きているやりとりです。ホワイトニングで起こる脱灰も、この日常的な範囲のなかで元に戻っていきます。

歯を削る施術ではない

もうひとつ押さえておきたいのは、ホワイトニングが歯を削って白くする方法ではないという点です。薬剤は歯の内部にある色素を化学的に分解して淡くしているだけで、歯の厚みが減ったり、構造が失われたりするわけではありません。歯を削って白い被せ物を装着する方法とは、根本的に成り立ちが違います。

問題になりやすいのは自己判断で進めた場合

とはいえ、どんな使い方をしても平気というわけではありません。負担が問題になりやすいのは、濃度の高い薬剤を短い間隔で繰り返し使った場合です。再石灰化が追いつかないうちに次の施術を重ねると、表面が回復しないまま負担が蓄積します。

歯科医院で受ける場合は、来院の間隔を1〜2週間ほど空けるのが一般的で、これは歯の回復を待つための設計でもあります。歯科医師の管理のもとで濃度と間隔を守って行う限り、歯の構造そのものが損なわれる施術ではないと考えられています。逆に、海外製の高濃度品を個人輸入して自己流で使うような進め方は、この管理の外側にあります。「しない方がいい」という言葉が当てはまるとすれば、施術そのものよりこちらのケースです。

受けられない人・時期をずらす人・条件を整えれば受けられる人

適応の話は、すべてが同じ重さではありません。恒久的に受けられないのか、時期の問題なのか、準備すれば受けられるのかで意味がまったく変わります。ここを分けて考えると、自分がどこに当てはまるかが見えてきます。

受けられない——無カタラーゼ症

無カタラーゼ症は、体内で過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼが働かない先天的な疾患です。ホワイトニングの薬剤の主成分が過酸化水素であるため、この疾患がある方は施術を受けられません。これは時期や準備で解決する種類のものではなく、はっきりとした適応外にあたります。

時期をずらす——妊娠中・授乳中

妊娠中や授乳中の方については、薬剤が胎児や乳児に与える影響について十分な検証がされていません。そのため、この時期は避けて時期をずらすことが勧められます。受けられないのではなく、いまは適した時期ではないという位置づけです。

先に治療してからなら受けられる——むし歯・歯周病・強い知覚過敏

未治療のむし歯がある場合、薬剤が歯の内部にしみて強い痛みが出ることがあります。歯周病で歯ぐきに炎症がある場合も、薬剤の刺激で症状が悪化する可能性があります。強い知覚過敏がある場合も同様です。

これらは適応外というより順序の問題です。先に治療を済ませて口の中の状態が整えば、あらためて検討できます。「むし歯があると言われた=ホワイトニングは諦める」ではありません。

方法を選べば受けられる——光線アレルギー・呼吸器の持病

意外と知られていないのが、この分類です。オフィスホワイトニングは光を当てて薬剤の反応を促すため、光線過敏症など光に反応する体質がある方には向きません。また、喘息などの呼吸器の持病がある方は、施術時の刺激で症状が出る可能性が指摘されることがあります。

ただしこれらはオフィスという方法に伴うものです。光照射を行わないホームホワイトニングであれば、状態によっては選択肢になります。持病がある方は自己判断で諦めず、事前に申告したうえで方法を相談するのが現実的です。

効果が出にくい歯・白くならない歯

「受けられるかどうか」とは別に、「受けても期待した変化が出にくい」ケースがあります。これを知らずに始めると、期待とのズレにつながります。

詰め物・被せ物・差し歯は白くならない

薬剤が作用するのは天然の歯だけで、詰め物・被せ物・差し歯・インプラントといった人工物の色は変わりません。前歯に詰め物が入っていると、周りの天然の歯だけが明るくなって、その部分の色が浮いて見えることがあります。

ただしこれは、先にホワイトニングで歯の色を決めてから、詰め物をその色に合わせて作り直すという順序で対応できます。奥歯の銀歯のように見た目に影響しない部分であれば、そのままでも問題になりにくいでしょう。詰め物や被せ物がある方は、この順序も含めて事前に相談しておくと想定外が減ります。

神経を失った歯・テトラサイクリン歯

神経を取った歯は、内側から黒ずんでくることがあります。この変色は歯の外側から薬剤を作用させても十分に改善しないことがあり、歯の内側から薬剤を入れる方法など、別のアプローチが検討されます。

抗菌薬の一種であるテトラサイクリンの影響で歯の内部に縞状の変色が生じている場合も、通常のホワイトニングでは変化が出にくいことが知られています。

ホワイトスポット・エナメル質形成不全

歯の表面に白く濁った部分がある場合、周囲が明るくなることで、かえってその部分が目立つことがあります。エナメル質の形成が十分でない場合も、色の入り方が均一になりにくくなります。この場合は、施術後の見え方まで含めて事前に確認しておくことが大切です。

喫煙や着色習慣がある場合

喫煙やコーヒー・紅茶の習慣がある方も施術は受けられますが、色が戻るまでの期間が短くなりやすい傾向があります。やっても無駄ということではなく、維持のためのケアや再施術の間隔を、そうでない方より短めに見ておく必要がある、という話です。

自分の歯がどれに当てはまるかは、見た目だけでは判断が難しい部分です。気になる点がある場合は、状態を診てもらったうえで見通しを聞いておくと、始めてから戸惑うことが少なくなります。

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知覚過敏が心配な人はどう考えればいいか

過去に冷たいものがしみた経験があると、薬剤を使うことに抵抗を感じるのは自然なことです。ここは分けて考える必要があります。

しみる症状は一過性のことが多い

ホワイトニング中や施術後に歯がしみるのは、薬剤が歯の内部に作用する過程で神経が一時的に敏感になるためです。多くの場合は数時間から数日で落ち着き、その後も続くものではありません。

濃度や時間の調整という対応がある

しみやすい方に対しては、薬剤の濃度を下げる、作用させる時間を短くする、施術の間隔を長めに取るといった調整ができます。知覚過敏を抑える薬剤を併用する方法もあります。「しみるかどうか」は受けるか諦めるかの二択ではなく、進め方で調整できる範囲があると考えてください。

「以前しみたことがある」と「重度の知覚過敏」は別

一度しみた経験があることと、日常的に強い症状が続いていることは、判断としては別物です。前者であれば、その旨を事前に伝えたうえで進め方を相談するのが一般的な流れになります。後者の場合は、まず知覚過敏そのものへの対応が先になります。

いずれにしても、事前に伝えておくことが前提です。伝えないまま進めると、調整の機会がないまま施術が終わってしまいます。

見送る判断をした場合、次にできること

検討の結果、いまは見送るという判断になることもあります。その場合も、そこで終わりにする必要はありません。

まずおすすめしたいのは、何を理由に見送るのかをはっきりさせておくことです。むし歯が理由なのか、時期の問題なのか、方法が合わないのか。理由が確定すれば、いつ再検討できるのかも見えてきます。口の中の状態は自己判断が難しいため、一度診てもらうと整理がつきます。

治療が必要と分かった場合は、それを済ませてから改めて検討できます。むし歯や歯周病の治療は、ホワイトニングのためだけでなく歯を長く使うためにも意味があります。

また、歯の色の悩みが表面の着色汚れによるものであれば、クリーニングで印象が変わることがあります。コーヒーや茶渋による着色は、歯そのものの色ではなく表面に付いた汚れであることも多く、その場合はホワイトニングを待たずに対応できます。

日常のケアとしては、色の濃い飲食物のあとに水で口をゆすぐ、着色を防ぐ成分が入った歯磨き粉を選ぶといったことでも、進行を緩やかにできます。オフィスホワイトニングの費用や回数の目安については「オフィスホワイトニングとは?1回でどこまで白くなるか・費用・通う回数を解説」で整理しています。

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よくある質問

一度ホワイトニングをすると、やめたときに前より黄ばみますか?

施術前より色が濃くなることは基本的にありません。時間の経過とともに元の色に近づいていくため、明るくなった状態と比べると「戻った」と感じやすいだけです。もともとの色より暗くなるわけではないと考えて差し支えありません。

市販品なら安全ですか?

国内で市販されているホワイトニング歯磨き粉は、表面の着色汚れに働きかけるもので、歯の内部の色を変える薬剤は含まれていません。そのため作用は穏やかです。注意が必要なのは、海外製の高濃度品を個人輸入して使う場合で、濃度や使用時間の管理が自己判断になるため負担がかかりやすくなります。自宅でできる方法の違いは「ホワイトニングは自宅でどこまでできる?市販品と歯科の違い・効果の限界を解説」で詳しく扱っています。

矯正中でも受けられますか?

装置の種類によって変わります。取り外しできるマウスピース型であれば併用しやすい一方、歯の表面に装置を固定する方法では薬剤が届かない部分ができます。詳しくは「マウスピース矯正中のホワイトニング|同時にできる理由と注意点」をご覧ください。

まとめ

「ホワイトニングはしない方がいい」と言われる背景には、薬剤への不安、体質や歯の状態による適応、そして期待とのズレという3つの異なる理由があります。

このうち「歯がもろくなる」という不安は、施術中に起こる一時的な脱灰が誤って伝わったものと考えられます。唾液のはたらきで元に戻る範囲のもので、歯科医師の管理のもとで濃度と間隔を守って行う限り、歯の構造が失われる施術ではありません。

適応については、無カタラーゼ症のように受けられないもの、妊娠中・授乳中のように時期をずらすもの、むし歯や歯周病のように先に治療すれば受けられるもの、光線アレルギーのように方法を選べば受けられるものがあります。該当したからといって、すべてが諦める理由になるわけではありません。

自分がどこに当てはまるかは見た目では判断が難しいため、気になる点があれば一度状態を診てもらい、そのうえで進めるか見送るかを決めるのが確実です。


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・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります


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