歯の色が気になっている。同時に、口のにおいも気になっている。どちらも口の中のことなので、まとめて片付くのではないかと考えるのは自然です。
ところが調べると、「別のものです」と書かれています。それはそのとおりなのですが、そう言われても次に何をすればいいのかが決まりません。2つの心配を抱えたまま、どちらから相談すればいいのかが分からない状態が残ります。
ここでは、なぜ別のものなのかを短く押さえたうえで、それでも実際には隣り合っている部分を整理します。
薬剤が働きかけているのは、色であってにおいではない
まず前提を確認しておきます。
ホワイトニングの薬剤が作用するのは、歯の内部にある色素です。色素の構造に働きかけて、色として見えなくしていきます。
一方、においの元になっているものは、別の場所にあります。歯と歯ぐきのあいだにたまる歯垢、舌の表面、歯ぐきの炎症、口の中の乾燥。歯の内部の色素とは、そもそも位置が違います。
そのため、ホワイトニングはにおいを直接改善する方法ではありません。薬剤が働きかける相手に、においの元が含まれていないからです。
ここまでは、多くの場所で説明されているとおりです。ただし、話はここで終わりません。
ただし、始める工程が原因の上を通る
ホワイトニングには、始める前に口の中を整えるという工程があります。ここが、においの話と重なってきます。
整える対象と、においの原因が重なっている
歯科医院でホワイトニングを始める場合、口の中の状態を確認する工程が入ります。そこで見られるのは次のようなものです。
未治療のむし歯や歯周病。 ある場合は、先に治療することになります。薬剤がしみたり、歯ぐきの炎症が悪化したりする可能性があるためです。この順序については「虫歯があるとホワイトニングはできない?治療との順序と、始められる時期」で整理しています。
歯石や、表面に残っている着色。 これらが付いたままだと、薬剤が歯の表面に届きません。清掃を先に行うのはそのためです。この関係については「ホームホワイトニングで白くならないのはなぜ?原因の切り分け方と確認の順序」で扱っています。
ここで気づくことがあります。いま挙げたもの——歯垢、歯石、歯周病、むし歯——は、においの原因として挙げられるものとほぼ同じです。
つまり、順序の副産物として扱われる
まとめると、こういう構造になっています。
ホワイトニングは、においを治す施術ではありません。 ただし、ホワイトニングを始めようとすると、においの原因になりうるものが先に扱われることになります。
これは薬剤の効果ではなく、順序の副産物です。効果として期待するものではありませんが、実際に起きることとしては知っておいて損のない部分です。
受診してから施術に入るまでの流れについては「歯医者のホワイトニングとは?受診の流れと、かかりつけで受けられるかを解説」で扱っています。
ただし、歯にない原因は前工程でも片付かない
ここは正確に書いておきます。においの元が歯や歯ぐきにない場合、この工程を通っても変わりません。
においの原因には、歯の周辺以外にあるものもあります。舌の表面の状態、口の乾きやすさ、体質による一時的なもの、服用している薬の影響、口以外の不調によるもの。これらは、ホワイトニングの前工程で扱う対象に入っていません。
つまり、前工程で片付くのは「歯とその周辺にある分」だけです。そこを済ませても気になり続ける場合は、見る場所を変える必要があります。この判断も歯科で相談できる範囲なので、色の話と一緒に伝えておくと早く進みます。
色とにおいは、同じ上流から来ていることがある
もうひとつ、押さえておきたいことがあります。この2つが同時に気になるのは、偶然ではないことがあります。
共通の原因になりやすいものが、いくつかあります。
歯石
歯石は、歯垢が硬くなったものです。この表面はざらついているため、着色が引っかかる足場になります。歯石が付いている状態では、日々のケアをどれだけ丁寧にしても色が乗りやすくなります。この点は「歯の黄ばみを取る方法は?取れる黄ばみと取れない黄ばみの見分け方」で扱っています。
同時に、歯石は歯垢がたまりやすい場所でもあります。色の面でも、においの面でも、同じものが上流にいるという状態です。
唾液の量
唾液は、口の中を洗い流す働きを持っています。この量が減ると、2つのことが起きます。
色素が留まりやすくなります。 飲食物の色が歯の表面にとどまる時間が長くなるためです。
においが出やすくなります。 洗い流しが減ることで、においの元が口の中にとどまりやすくなるためです。
口が乾きやすい、寝起きに気になる、口で呼吸する癖がある。こうした自覚がある場合、片方だけでなく両方に効いている可能性があります。
喫煙
たばこは、歯の表面への着色と、においの両方に関わります。この場合も、対処する相手は1つです。
自分がどれに当たるかの手がかり
3つ挙げましたが、自分に当てはまるかどうかは次のあたりで見当が付きます。
前回の清掃からどのくらい経っているか。 期間が空いているほど、歯石が関わっている可能性が上がります。自分では見えない場所に付いていることも多い部分です。
口の渇きに心当たりがあるか。 寝起きに強く感じる、日中に水を飲む回数が少ない、口で呼吸している自覚がある。いずれかがあれば、唾液の量が関わっている可能性があります。
喫煙の習慣があるか。 これは明確です。両方に効いています。
どれも「当てはまったから重症」という話ではなく、先に手をつける場所を決めるための手がかりです。
こう見ていくと、「色が気になる」と「においが気になる」が同時に来ているとき、別々の2つの問題ではなく、ひとつの上流から出た2つの現れであることがあります。
施術中・使用中に、においが気になる場面
逆方向の心配もあります。ホワイトニングをしているあいだに、においが気になるようになったという場合です。これは起こりうることで、原因もはっきりしています。
乾燥
歯科医院での施術中は、口を開けた状態が長く続きます。器具で唇を広げるため、口の中が乾きやすくなります。
口が乾くと唾液が減り、においを感じやすくなります。 施術のあとに口の中が乾く感じが残ることもあります。この場合は水分をとって様子を見る形になり、多くは時間とともに戻ります。
マウスピースを使っているあいだ
自宅で行う方法の場合、装着している時間があります。この間、唾液が口の中を巡りにくくなります。
マウスピースと歯が密着している面には、唾液が届きません。洗い流す働きが及ばない状態が、装着しているあいだ続くことになります。
加えて、マウスピース自体の洗浄が足りないと、そこがにおいの元になります。外したあとの手入れについては「ホームホワイトニングの注意事項は?装着前・装着中・外した後に分けて解説」で整理しています。
いずれも、一時的なもの
どちらも、続く性質のものではありません。対処する先も、色ではなく乾燥と洗浄の側になります。装着前に歯を磨いておくこと、外したあとにすすいで軽く磨くこと、マウスピースを水で洗って乾かすこと。手順として決まっているものが、そのまま対処になります。
どちらから相談するか
最後に、実際の動き方です。
においのほうが強く気になる場合は、先に原因を確認するところから始まります。そしてこの入口は、ホワイトニングを始めるときの前工程と同じです。口の中の状態を見て、必要な処置を先に済ませる。行き先が同じなので、遠回りにはなりません。
このとき、保険の範囲でできることがあります。歯石の除去や歯面の清掃、むし歯や歯周病の治療は、色を変える施術とは扱いが分かれます。どこまでが保険かについては「ホワイトニングに保険は使える?適用外の理由と、保険でできること」で整理しています。
そして、色の相談と同時に伝えて問題ありません。別々に予約を取る必要はなく、「色も気になっているし、においも気になっている」と最初に言っておけば、両方を踏まえた順序を組んでもらえます。
言いにくい内容ではありますが、歯科では日常的に扱われている相談です。伝えないまま進めると、色の話だけで終わってしまいます。
伝え方は、症状を言わなくてよい
「においがする」と言葉にするのが気まずい場合、そう言わずに済む伝え方があります。
「口の中の状態も一緒に見てもらえますか」。 これで、清掃と歯ぐきの状態の確認が入ります。
「前回の清掃がいつだったか覚えていないので、そこから見てほしい」。 期間が空いている前提で確認してもらえます。
「乾きやすい自覚があります」。 唾液の量に関わる部分が視野に入ります。
いずれも症状を申告する形になっていませんが、見てほしい場所は伝わります。色の相談と並べて言えるので、話の流れも自然になります。
よくある質問
ホワイトニングの薬剤自体ににおいはありますか?
薬剤には独特のにおいがあり、施術中に感じることがあります。ただしこれは施術のあいだのもので、口臭とは別のものです。気になる場合は、その場で伝えると対応してもらえることがあります。
ホワイトニング用の歯磨き剤で口臭は防げますか?
製品によって目的が違います。表面の着色を落とすことを目的としたものと、口の中を清潔に保つことを目的としたものは別の製品です。パッケージの表現ではなく、何を目的とした製品かを確認してください。どちらか一方を使えば両方に効く、という関係にはなっていません。
施術のあと、口の中が乾く感じがします。
施術中に口を開けた状態が続くことによる一時的なものが多く、水分をとって過ごすうちに戻ります。長く続く場合や、乾きが日常的にある場合は、別の原因が関わっていることもあるため相談してください。
クリーニングだけで、においも色も両方よくなりますか?
歯石や表面の着色が原因になっている部分については、両方に変化が出ることがあります。ただし歯の内部の色は清掃では変わりませんし、においの原因が舌や乾燥にある場合も清掃だけでは届きません。どこまでが清掃で片付く範囲かを確認したうえで、その先を考える形になります。
マウスピースがにおうときはどうすればいいですか?
使用後に流水で洗い、水気を切って保管します。このとき使うのは水です。お湯は変形の原因になります。それでもにおいが残る場合や、変形・傷が見られる場合は、作り直しの時期にあたることがあるため見てもらってください。
まとめ
ホワイトニングの薬剤が作用するのは歯の内部の色素で、においの元は別の場所にあります。そのため、においを直接改善する方法ではありません。
ただし、無関係でもありません。ホワイトニングには始める前に口の中を整える工程があり、そこで扱われるもの(歯垢・歯石・歯周病・むし歯)は、においの原因として挙げられるものと重なります。施術の効果ではなく、順序の副産物として扱われることになります。
さらに、色とにおいが同じ上流から来ていることがあります。歯石、唾液の減少、喫煙。いずれも両方に効いているため、同時に気になるのは偶然ではないことがあります。
一方で、施術中や装着中に一時的ににおいが気になる場面もあります。原因は乾燥と、マウスピースの洗浄で、対処もそちら側です。
相談の順序は難しく考えなくて問題ありません。においが気になる場合の入口は、ホワイトニングを始めるときの前工程と同じです。最初に両方を伝えておけば、順序を組んでもらえます。
大阪梅田矯正歯科のホワイトニング
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります



